雑記

【ゲッターロボだけじゃない】超個人的オススメ書籍『石川賢 マンガ大全』

ドーモ、垂れ坊です

皆さん、突然ですが石川賢先生の作品といえばどんなものが浮かびますか?

ゲッターロボ? 虚無戦記? 魔獣戦線? 極道兵器?

どれもこれも石川賢先生が夜に生み出した名作。それは間違いないです。俺も全部読みました

特にゲッターロボはアニメやゲームなどを通じて「石川賢作品といえば」という問いに真っ先に思い浮かぶ作品でしょう

でも、それ全部「石川賢作品」としてみたらほんの上澄みでしかなかったのです……

それを思いっきりわからせてくれたのがこの本

石川賢 マンガ大全

今回はこの本のレビューをしていきたいと思います

・この本はこういった方々にオススメ

・石川賢とは何者か?

・彼がこの世に生み出してきた作品はどんなものか?

ゲッターロボアークを見て石川賢作品に興味が湧いた

・作品は好きだけど、有名作品しか知らない

・作品はある程度網羅したけど、他にどんな作品があるのか知りたい

やたら多いけど大丈夫です。この本はそんな方々全てを受け入れ、答えてくれます

まるで、ゲッター線に触れた人類に宇宙の全てを理解させるように……

・この本について

デビュー作『それゆけコンバット』から鬼作となった『戦国忍法秘録 五右衛門』まで、石川賢先生が発表した200以上の作品の掲載誌情報とあらすじを6つのジャンルに分けて紹介

さらには永井豪先生、蛭田充先生など石川賢先生と縁の深い方々によるインタビュー8本を収録

その他、マンガ家、 原作者らによるトリビュート原稿、石川先生の過去インタビュー、カラーイラストギャラリーなど収録された石川賢先生の全てを網羅した究極の書籍

出版は双葉社、監修はダイナミックプロ

発売日は7月15日、価格は税込み3080円。ページ数は200ページ弱

・本を読んだ感想

結論から言わせてもらうと、石川賢先生が好きな人は絶対買うべき本

石川賢先生が関わった作品全てを網羅し、わかりやすく説明してくれている点もですが、随所に挟み込まれた関係者インタビューや巻末の過去インタビューから先生の人となりがわかるのもオススメポイント

個人的に昔からの関係者インタビューで何人かが「もらった給料袋が開けられずに机の引き出しやロッカーに放り込まれっぱなしだった」というエピソードを語っており、「とにかくお金に頓着しない」点がイメージ通りだったな、など

そういった感じで、石川賢がどういう人となりだったかを知れるのもこの本の魅力の一つ

・この本の良いところ

・全ページものすごいエネルギーに満ちている

作品紹介ページはマンガ数コマにカンタンな解説、という形式で紹介されているのですが、そのたった数コマから感じられるエネルギーが凄まじい

デビューからバイオレンス全開の独特の世界を展開。そこから作品を重ねる毎に増し、加わっていくダイナミックかつナンセンスさを非常に緻密な作画で描かれていく様は圧巻の一言

そんな作品が200作以上掲載ということなんだから、見応えしかないです

・個人的オススメポイント

個人的にオススメするのは「時代劇」の項目。ここに載っている作品は是非読んでほしい

理由は、石川賢先生の魅力ある世界観と卓越した技量の二つを同時に味わえるからです

一度でも石川賢先生の作品を読んだ事があるのならわかってくれると思いますが、やってる事は明らかに破天荒だし、どうあがいてもその時代にそぐわないモノが普通に出てきます

だというのに、まるでそこにあるのが当然と思わせられるような妙なリアリティーを感じざるを得ないのです

その説得力とリアリティーたるや、例え江戸時代になんの説明もなく近代的な銃やら謎の機械やら明らかなオーパーツが出てこようとツッコミすらしない程

一見破綻してもおかしくない組み合わせを自然と成立させている。

そこに石川賢先生のスゴみと魅力が詰まってると確信しています

なので、どれでもいいので一つでも読んでいただきたい

ちなみにオススメは以下の3つ

回天~幕末剣銃士

柳生十兵衛死す

魔界転生

どれも読み応えのある作品です

回天以外は原作者が違うので厳密には石川賢作品ではないのですが、どちらも大分石川賢ワールドに染まっているので原作とはほぼ別物になっているのでヨシとします

ただ、オススメはするものの入手は割と難しい作品ばかりだったり……

まんだらけなど中古本を取り扱っている場所なら文庫サイズ版などが売られている場合がありますので、もし気が向いた時に探してみてください。ちなみに自分はこの3つ全てまんだらけで揃えました

・この本の悪いところ

・面白いのに読めない作品が多すぎる

いやもう本当にコレ

約200作品もあるので、俺が読んだことのない作品も結構あります(特にデビューから初期の作品とかこの本を見て知ったレベル)

その中には「あっこれすげぇ読みたい」と思ったモノがあっても単行本未掲載、という作品がちょくちょく出てくる

なので読むとしたら当時の雑誌を手に入れるしかないのですが、そういった作品が掲載されているのは大体3,40年前の雑誌

そんなのどこで買えるねんって話ですよ

昔の週刊誌などの買取を積極的に行っているまんだらけ辺りならまだ可能性はゼロじゃないってレベル(ちょくちょくこの店を推してますが、こういったマニアックなモノを探す時あそこは重宝するのです)

まさに海で宝石の一欠片を探すかのごとく地道かつ凄まじい労力を伴うのは間違いないです

なので、ダイナミックプロは早急に石川賢先生の作品を詰め合わせた「石川賢コンプリートブック」の発売を検討してほしいところ

最後に

この本の発売を知った時、「そういえばこの手の本ってなかったな……」ということを思い出しました

厳密には「ゲッターロボ全書」という本なら出版されていたのですが、石川賢作品全体を網羅した本は画集以外ならおそらく初

何故このタイミングで? と思わなくもなかったのですが、おそらく

・ゲッターロボアークが放送された

・石川賢先生が亡くなってから今年で15年目

という2つが重なった事が理由になるのでは? と個人的には推測してます

まあ理由はどうあれ、石川賢先生は世界最高の漫画家だと断言する程好きなので買う以外の選択肢はありませんでしたがね

圧巻のボリューム、そして1ページめくるたびに伝わってくる熱量、そして関係者インタビューからわかる石川賢先生の魅力

これら全部が詰め込まれた一冊になっていますので、もし興味がある方は是非手に取ってください

そして、共に石川賢ワールドを通じて虚無の果てへといきましょう

ではまた!