雑記

【令和の迷作】『大怪獣のあとしまつ』感想【ネタバレあり】

ドーモ、垂れ坊です

昨今のコロナ事情でなかなか外出できないながらも、映画館では様々な作品が日々上映されています

そんな映画界に突如として現れた刺客……劇場に訪れた観客の負の感情をぶち撒けさせた作品があります

その名も……

大怪獣のあとしまつ

この作品は公開当初からとてつもない反響を呼んでいるので「名前なら知ってる」という方も多いのではないでしょうか?

曰く……

令和のデビルマン

令和史上最低作品

クソ映画界のシン・ゴジラ

誰もあとしまつしたがらない汚物

なかなか手厳しい評価が数多く見られました

今回は、そんな非難轟々の今作を鑑賞した感想を述べていきたいと思います

がっつりネタバレを入れていくので、「全部子の目で確かめたい!」という方はすぐに立ち去ったほうが良いです

ネタバレは全然問題ない。そのうえでまだ劇場で見ていない方は、劇場に足を運ぶかどうか検討する際の参考にしていただけると幸いです

感想

結論から言うと「世間でいうほどひどくはない」というのが正直な意見です

上にも書きましたが「令和のデビルマン」と呼ばれている程だったのでどんなやべー作品なのかと見る前は戦々恐々としてました

ここで引き合いに出されている『デビルマン』とは漫画の方ではなく、2004年に公開された実写映画のこと

CG技術以外の全てにおいて低水準を誇り、今なお「邦画界史上最低のクソ映画」と呼ばれている

しかし蓋を開けれ見ればそこまでひどくなかったので、正直肩透かしを食らった気分でした

この映画を個人的に表現するなら

海外の有名映画のパチモンをぶつ切りにして寄せ集めてコメディとして邦画化した作品

という風になります

そう、この作品はコメディ映画なんです

勘の良い方はポスターで片足上げてぶっ倒れてる怪獣の姿から察したかもしれませんし、会議室の構図がまんまシン・ゴジラっぽかった時点で察した方もいるでしょう(俺はこっち派)

ともあれ、この映画は結構最初の方からコメディと認識できる要素は結構あったんです

……まあそれを差し引いてもクソ映画なのは言うまでもないんですがね

次は、この映画がクソ映画と呼ばれている理由をいくつかまとめましたので、そちらを紹介していきます

この映画のダメなところ

ざっくりいうと以下の3つです

・無意味なシーンがあまりに多い

・ギャグシーンがとにかく寒いし不快

・衝撃の()ラストシーン

無意味なシーン

ここは大別すると2つほど

・尺稼ぎとしか思えないような無意味な会話シーン

・作中キャラの不倫要素

会話シーンは、主に目立つ場面を出すなら作中の政治家が集まる会議室シーン

このシーンではやってることは、基本的に責任のなすりつけ合いや周りが囃し立てて無駄に場を騒ぎ立てる事という、クソ映画でありがちな無駄な会話シーンそのもの

他にもそれっぽいシーンはあるのですが、やはり会議室のシーンがほとんどだと思います

次に作中キャラの不倫要素

いや特撮映画見に来たのに不倫みせられるってなんやねーん」となるでしょうが、これをやってるのがヒロインとその旦那という地獄の組み合わせ

ヒロインの方は主人公と関係してるのでギリギリ許される可能性はありますが、旦那の方が本当にいらない。しかも物語に深く関わってくることもなかったですし

「自分の利益になるためなら他人を利用する狡猾な人物」として演出したかったのかなと思わなくもないですが、それなら不倫要素以外でもよくない? と思ってしまいました

ちなみに、これが今作における恋愛要素というひでぇ実情

くだらないギャグシーン

作中ではギャグと思しきシーンが散見しますが、大体が聞いていてうすら寒いというかとにかく一切笑いを刺激されない程にくだらない

特に作中のあるキャラが例え話として出している下ネタがキツイ。キツイあまり鼓膜から苦痛を感じる始末

これぞホントの耳が痛いというやつです

……まあ、こんな感じのくだらなさでしたね、はい

ラストシーン

そして忘れられないあまりにも衝撃のラスト。無論悪い意味で

主人公がウ●トラマンに変身して怪獣の死体持って宇宙へ旅立つとか、思わず劇場で「それをやっちゃおしまいでしょ!」とツッコミかねませんでした

(ちなみに主演の方もそういった旨の発言はしていた模様)

一応序盤に「デウスエクスマキナ」「選ばれし者」など伏線めいたワードが出てきたり、「主人公が失踪してからの空白の2年間」など意味深なシーンがないわけでもなかったのですが、それにしたってあれはひどい

評価できると思った要素

あくまで個人的にですが

・ダム爆破の流れは良かった

・出演者の演技レベルは全員良かった

・怪獣の造形はおおむねしっかりしていた

この三つは評価していいんじゃないでしょうか

ダム爆破は物語中盤「ダムを爆破して水を流し、怪獣の死体を海まで持っていこう」という作戦が提案された事で起こるイベント

そこで、元特殊部隊の隊員で爆破のプロであるブルース(本名:青島涼)を招集。ダム爆破に向けて準備を進めるという流れになるのですが、その辺りは個人的に面白かったかなと

……その作戦にもひどいオチが待ってるのですが、そこまでは本当によかったです

個人的にブルースを演じたオダギリジョーさんの演技が本当にカッコよくて……それを見れた事に関してはこの映画に感謝です

その他、出演者も実力があったり有名な方々ばかりだったおかげでキャラクターの演技の下手さにイライラさせられることはありませんでした

むしろあのクソ映画でよくぞ最後まで真面目にやってくださったと称賛したいレベル。さすがはプロでしたね……

怪獣の造形も、背中にきのこを生やしてるという点以外は真っ当な怪獣のデザインしてました

個人的には、作中で文字通り死体蹴り同然で扱われてる事に憐れみを覚えるレベルでは好みでした

最後に

今回紹介した「大怪獣のあとしまつ

総評としては、世間の評判よりは悪くはなかった。でも劇場で見ると間違いなく後悔する映画ランキング上位にランクインしたクソ作品でした

なので、もし興味があるようでしたらレンタルか無料配信されるのを待っていいんじゃないかなと思ってます

いや、今話題になってるなら今見に行きたい!」というのでしたら、どうぞ足を運んでください

そして、2時間という時間と2000円近くのお金の価値について改めて考えてみるのもいいと思います

ではまた!